★4『恋輪廻~青月奇譚~』(今井康絵)を読んでみた。
どーも、サケビです。
今回は、
『完結漫画を最後まで読んでみた』のコーナーです。
今回紹介するマンガは、唯の恋愛マンガとは一線を画す、奥深く興味深い内容でした。
作品はコチラ
『恋輪廻~青月奇譚~』(今井康絵)、全1巻
ジャンル: 少女マンガ、幼なじみ・同級生
出版社: 小学館
雑誌: プチコミック
掲載期間:2010年11月〜
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《内容》
(※サケビの解釈です)
アセクシャル(無性愛者)をカミングアウトしたお寺の息子・佐原双樹にドン引きする六条桜子。でも、桜子は「逆に攻略しがいがある」と俄然やる気マンマンに。難攻不落を攻略しようとする勇者の恋物語。
日本に古くから伝わる物語、怪談をベースに物語が語られるのが特徴的。
《登場人物》
六条桜子。1〜3話目まではバージンなのに、最終話では遊びまくっているトンデモキャラ。結局はこの女のせいで問題が起きているし、諸悪の根源なのでは?
佐原双樹。イケメン坊主(お寺の息子)。アセクシャル(無性愛者)を豪語する強者で、アセクシャルを活かして難事件をズバズバ解決していく。坊主にとっては、寧ろ好都合な体質なのでは?と思う。
工藤センパイ。双樹の友達で、桜子と同じ会社の先輩。見た目からしてこの手のキャラは、不貞な輩だと思っていたが、やっぱり!!
《感想》
かなり面白かった!
サケビが面白いと思ったポイントは大きく2つ。
まず、1つ目は、アセクシャル(無性愛者)を題材にしていること。というか、アセクシャルという言葉自体、この本ではじめて知った。“Aセク”って略すらしい。
コレって、LGBTのようなセクシャルマイノリティーとは違って、完全に“レス”なんだから、同じくくりにしちゃあいけないものなのかな?
こういう人が世の中にどれだけいるかは知らないけど、多くはないはずで、それを題材にするあたりがら、女性マンガらしいなと思う。つまり、『普段から恋愛について考えている土壌があるからこそ、こういう発想にも至る』のだろうと。男性マンガ家じゃあ、まずこういう作品は出てこないだろうね。
ただ、無性愛者って、作中で描かれているような『愛されることが理解できない』のとは違う気がする。だって、興味が無いだけで、感情がないわけではないから。読んでいて、そのへんがちょっと座り心地が悪いカンジがしました。
サケビが面白いと思った2つめのポイントは、日本の伝統(昔話、階段など)に絡めて話が進んでいくところ。
その日本の伝統的な話が、『八百屋のお七』などエグくて恐ろしい内容のものばかりで、元の話自体が面白いのに、更に作者独自の解釈を加えて回答しているものもあり、いろいろと興味深いモノになっている。さらには、その内容が”アセクシャル”との対比する形で描かれており、総じて、『ヒトを愛するとは何か?』、『身体が求める愛は、愛なのか?』を深く考えさせる作品になっている。
劇中で、妖怪のお露が「男は罪深く、女は業深いもの 」という言葉を言う。アセクシャルを悲しむ桜子は”業深い”のか? 業深くても、求めるから愛は美しいのか?
劇中に出てくる昔話からもわかるように、“愛”については昔からたくさん語られているが、未だに答えが出ていない。“愛”って答えのないテーマなんだろうと思う。
この本を読んで、そんなことを思いました。
《サケビの評価》
- 雑学度:5
- 恋愛哲学:4
- フレッシュさ:5
- オススメ度:4
- 掘り出しモノ度:4
《補足情報》
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『奈落何処絵巻』中村明日美子先生の作品。コレも、恋愛が時代を越えて繰り返される、という話です。BLですが(笑)
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- 作者: 中村明日美子
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